2017年3月6日月曜日

取消が審議される懲戒免職処分の異常な経過(2)

先月、「取消が審議される懲戒免職処分の異常な経過」という記事で、板橋区ホタル生態環境館の館長であった阿部宣男博士が板橋区から懲戒免職処分を受けるまでの異常な経過について紹介しました。当該記事は、アクセス数の少ない本ブログにしては珍しく2週間で約300アクセスがあり、意外にこの ”異常な経過” についてご存知ない人が多いのではないかと思いました。

そこで、懲戒免職処分取消訴訟の原告側の関係者に更にヒアリングして時系列に沿った出来事の情報をいただきましたので、私の認識した問題点と共に以下に示します。取消の和解案が審議される3月6日(月) 10時開始の板橋区議会 企画総務委員会で、これらの問題点が追及・解明されることを期待したいと思います。

【元館長が懲戒免職処分となるまでの経過一覧】
但し、
  • ホタル館: 板橋区ホタル生態環境館の事です。
  • {むし企画代表名}: プライバシー保護の観点から実名を置換えました。

日付できごと補足私の認識している
問題点
2013年
2013年4月山崎智通氏(以下、「山崎」)、資源環境部長に
井上正三氏(以下、「井上」)、資源環境課長に
2013-08-05 (Mon)X弁護士の法律事務所を訪問(井上&山崎)
※X弁護士は板橋区の懲戒分限審査委員会の外部委員
内部での事情聴取や事故報告の前に、外部の弁護士に相談に行ったのが不可解。
しかも、相手の弁護士は板橋区の懲戒分限審査委員会の外部委員であった。本来公平であるべき外部委員に対して、職員が悪いという印象を刷り込みに行ったのではないか?
2013-08-08 (Thu)足立区生物園見学(井上)足立区生物園では、後にホタル館の飼育業務を引き継ぐ自然教育研究センターがホタル飼育を運営
2013-08-26 (Mon)むし企画代表事情聴取①(山崎&井上)部長
「やってないものに対しそれを知っててずっと区からやったごとく、ずっと金をもらっている代表ですからね。代表の責任っていうのは重い… 一般的に言うと例えば罪、罰にあたる行為…例えば背任とかね、詐欺まで行くかどうかわからない…差額の収益を得てて改善しなかったと、で、それを{むし企画代表名}さんが全部握っていた訳じゃないのは分かっている」
「誘導するわけじゃないけどね…身を守るんだったら、誰に頼まれたとかね、誰、例えば、今の話のなかで言うとね、Zさんと阿部さんですよ。どっちかですよ。」
むし企画代表への聴取だが、阿部氏が悪事を働いているとの証言を引き出すように誘導尋問している。
2013-08-29 (Thu)むし企画代表事情聴取②(井上)井上課長
「まあ言いづらいけど、阿部さんが実質的な代表者かな?」
「じゃあ、認めんね? 阿部さんが代表者でいい?」
「実質的な責任者は阿部さんかもしれないし、ほかに誰かいるかもしれないと、思っているね? おしっ!ありがと、いや、ここ、ここ、重要なんですよ。そうすっとねー、俺{むし企画代表名}さんをねー、あまり責めないで済む」
「名義貸しってことを認めていただければ、私はこれ以上触れない。…(えー、だけどこれ(契約書)はどうなるわけですか?)これは別に書いてあったとしても、実質的な責任者がいればこの人は罪に問われます」

「私は{むし企画代表名}さんはハチのことを絶対に知っていると睨んでいる」
「あそこハチ売っているでしょ?」
むし企画代表への聴取だが、阿部氏が悪事を働いているとの証言を引き出すように誘導尋問している。
2013-09-10 (Tue)むし企画代表に電話で事情聴取
2013-09-17 (Tue)山崎らは本件業務の履行状況及び委託費の流れについて、板橋警察署に相談に赴き、上記聴取状況等について説明(被告側が主張した事実)ここでは「板橋警察署」であることに注意。
2013-09-26 (Thu)事故報告(山崎)情報公開請求したが内容はほぼ全て黒塗り

東京都板橋区服務監察規程
第9条1項 部長等は、第4条第1号、第2号又は第5号に該当する事実を知ったときは、遅滞なく別記様式により、主席監察員を経て区長に報告しなければならない。
この時点で事故報告の前提となるどういう事実があったのかが不明。
2013-09-26 (Thu)警視庁捜査2課の刑事が板橋区役所を訪れ、山崎部長らに詳細な説明を求めた(被告側が主張した事実)「板橋警察署」に相談に行った結果、いきなり「警視庁捜査2課」の刑事が出てくるのは奇妙ではないか。
どういう相談をした結果、詐欺や横領などの知能犯を担当する「捜査2課」が出てくる事になったのかを解明して欲しい。
2013-10-02 (Wed)足立区生物園5名来館ホタル飼育方法の相談のために、主管課を通じて来館
2013-10-29 (Tue)足立区生物園でホタル飼育調査打ち合わせ(山崎&井上)ホタル生息数調査を行う前から次に飼育を委託することになる業者とホタル飼育の打合せを開始している。なぜ調査する前から、このような打合せを持っていたのか?
2013-11-01 (Fri)X弁護士訪問(山崎&井上)山崎氏は、ハチの所有権の帰属について相談したと証言またも外部委員である弁護士に相談に行っている。これも悪印象を刷り込むためだろうか?
2014年
2014-01-17 (Fri)小山町調査(井上他)
2014-01-24 (Fri)むし企画契約解除申請板橋区内部手続1月27日のホタル生息数調査の前に契約解除は申請されていた。
2014-01-24 (Fri)ホタル館の飼育業務の新規受託者として自然教育研究センターを申請(随意契約)板橋区内部手続更に、むし企画の契約解除した後の業者もこの時点で決まっていた。
なぜ調査前にここまで準備を進められるのか?
2014-01-27 (Mon)ホタル生息数調査(自然教育研究センターによる)
原告への事前通知なし
このホタル生息数調査については、設計や実施に多くの問題があったと認識している。(ここでは触れない)
ホタル飼育を引き継ぐ業者を決めた後に、その同じ業者にホタルの生息数調査を任せている。通常なら利益相反を防止するために別業者を選定すべきではないのか?
2014-01-30 (Thu)阿部氏異動(環境課執務室)
2014-01-30 (Thu)区長監察命令
「原告に非違行為があることを理由に事故監察を命じた」
第9条第2項
区長は、前項の報告を受理したときは、監察員に事故監察を命ずるものとする。
前年9月26日の事故報告に対応する監察命令がこの時点で出た。3ヶ月もの間、監察命令が出なかったのは何故か?
2014-01-31 (Fri)むし企画契約解除現在、むし企画代表を原告、板橋区を被告として係争中事前通告無しに契約解除を行っているのも問題ではないか。
2014-02-01 (Sat)自然教育研究センターが板橋区の受託業者となる端的に言うと、ホタルはいない(発見できなかった)という調査結果を出したのと同じ業者がホタル飼育を受託した。
利益相反契約ではないか?
2014-02-02 (Sun)





能登町調査(井上他)



板橋区と能登町はホタル飼育での関わりは無いにも関わらず、井上課長の出張命令書の目的が「ホタルの視察」になっていた。これは虚偽の目的記載ではないのか?


2014-02-03 (Mon)





2014-02-13 (Thu)人事課による阿部氏聴取①
2014-02-14 (Fri)むし企画代表の警視庁聴取①担当は警視庁第2課
2014-02-19 (Wed)区民環境委員会◯環境課長
私どもの調査では限界を感じております。どんな内容かということは今後伏せますが、板橋警察署にもろもろ相談しているところでございます。
◯田中いさお
それが本当だとすれば、横領だったり、そういうような話になってくるので、すぐ警察が動かなければならないような案件に感じるんですけれども、いつごろ動き出しますか、実際。
◯環境課長
先ほど申し上げましたように、相談しているということで、これ以上のことに関しましては、警察の動きに影響を与えるといけませんので、詳しい答弁は差し控えたいと思います。
議会での答弁では、問題となった事実を明かさないままに、いかにも犯罪的な非違行為があったことを匂わせている。
これは印象操作ではないのか?
2014-02-21 (Fri)むし企画代表の警視庁聴取②
2014-02-28 (Fri)人事課による阿部氏聴取②
2014-03-10 (Mon)予算審査特別委員会 区民環境分科会◯いしだ圭一郎
「…先日の委員会でクロマルハナバチですか、この販売による営利性の問題で警察とご相談をしているというお話がございましたけれども、その後、何か状況の変化というものがございましたら、教えていただきたい」
◯環境課長
「クロマルハナバチも含めて、いろいろな総合的に相談はしております。ただ、一般論で申し上げますと、我々が相談した部分の中で、ああいった警察が動くとなれば、やはりかなり絞り込まれてくるのか、いわゆる一般的に言う刑事罰のような形ですから、私どもが動くとなれば地方公務員法という話もありますけれども、一番初めの話というのはさまざまな情報を警察に相談しました。どのような内容で警察が動いているかについては、私どもとしては今のところちょっと答弁は差し控えさせていただきたい」
議会での答弁では、問題となった事実を明かさないままに、いかにも犯罪的な非違行為があったことを匂わせている。
これは印象操作ではないのか?
2014-03-13 (Thu)人事課による阿部氏聴取③
2014-03-20 (Thu)むし企画代表の警視庁聴取③
2014-03-20 (Thu)予算審査特別委員会◯中妻じょうた
どのようにしてこの議論、実態調査、決着をつけるつもりかということと、もう一つ質問を続けますが、既に警察に本件を相談しているというふうに聞いておりますけれども、区としてつかんでいる警察の動向、こちら2点、お答えください。
◯資源環境部長
警察の動向でございます。板橋警察に相談していることは事実でございます。内容につきまして詳しくお話しできないというところでございます。
2014-03-24 (Mon)原告代理人 渡邉弁護士 意見書提出
2014-03-24 (Mon)分限審査委員会開催
※外部委員としてX弁護士が参加
東京都板橋区職員懲戒分限審査委員会規則
第3条 委員会は、副区長、教育長及び総務部長の職にある者並びに次条に規定する外部委員1人をもつて組織する。
第4条 区長は、弁護士に外部委員を委嘱する。
事前に管理職から問題があるという情報提供を受けていた弁護士が、外部委員として懲戒処分の審査を行っている。
公平性が守られていないのではないか?
2014-03-24 (Mon)警視庁2課から阿部氏事情聴取について依頼があったが拒否
2014-03-28 (Fri)懲戒免職処分
2014-05-06 (Tue)板橋区ホタル生態環境館のあり方検討結果
平成26年5月 資源環境部環境課

結果は、
「Ⅵ 検討結果・評価
施設の老朽化や技術継承の困難さ等、様々な側面から検討した結果、ホタル生態環境館は、平成26年度内に生物等の移動を行い、平成26年度で廃止するものとする。」

あり方検討会メンバーは、
経営改革推進課長、経営改革推進担当課長のほか、
資源環境部長(山崎)、資源環境課長(井上)ほか
報告書における検討会の内容は以下の通り。
「平成25年5月・6月 担当者との打合せ
平成25年8月 第1回検討会
〃 足立区のホタル飼育施設の調査・視察
〃 渋谷区のホタル飼育施設の調査・視察
〃 東京都夢の島熱帯植物館の調査・視察
平成25年10月 足立区のホタル飼育施設の調査・視察
平成25年11月 第2回検討会
〃 担当者との打合せ
平成25年12月 ホタル等生息調査実施検討
平成26月1月 日本ホタルの会関係者からのヒアリング
〃 ホタル等生息調査実施
平成26年4月 第3回検討会
その他、適宜、情報交換等を行った」

しかし、情報公開請求の結果、上記各検討会の議事録は存在しないとの結果であった。組織要領も不存在。また、上記の「担当者との打合せ」は元職員との打合せでないことは明らかで、山崎氏もその事実は認めた。
「あり方検討会」なる会議が開かれていた証拠が何も出てこない。
また、現場でホタル飼育を担当していた阿部氏には声もかからなかった。
本当に開かれていたのか? 議会では、出席した事になっている区の管理職全てに質問した方が良いのではないか?
2015年
2015年1月板橋区ホタル生態環境館のホタル等生息調査結果
と元飼育担当職員の報告数との乖離について
(報告)

以上

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