2015年2月28日土曜日

ホタル館の存続を求める会が区に抗議する文書を板橋区に提出

「板橋区ホタル生態環境館廃止を撤回し存続をもとめる会」が、2015年2月27日に、板橋区ホタル生態環境館の廃止に抗議する文を、板橋区の坂本区長と板橋区資源環境部の山崎部長宛に提出しました。

以下にその文書を示します。今回のホタル生態環境館を巡る問題について、区民の立場から論点が整理されており、たいへん価値のある文書だと思います。



以下、論述内容を全文引用します。論点が整理されているので余計な注釈は不要でしょう。一点だけ些細な事ですが、文中の「成虫への孵化率」は幼虫から成虫に生育する率を表しているのだと思います。


板橋区の責任を求めホタル館の廃止に抗議します。

陳情と経過 私たちは「ホタル館の存続と技術の継承」と「ホタル館の再調査」を求める陳情書を提出し、1月20日区の環境委員会においても賛成多数で継続審査となりました。一方資源環境部環境課は『板橋区ホタル生態環境館のホタルなど生息調査結果と元飼育担当職員の報告数との乖離について』(以下、報告書という)を報告しました。区はこの報告をもってホタル館の存続を求める多くの区民との一連のやりとりに終止符を打ち、3月末のホタル館廃止に向けせせらぎに生息する生物の移管をするため1月26日にはホタル館の水を抜く作業を強行しました。

私たちはこの1年間ずっと区議会の定例会や環境委員会を傍聴し、2度の住民説明会にも出席してきました。事の発端は、区が昨年1月に突如、当時の飼育担当職員(以下、元職員)を恣意的に除外し“せせらぎに土足で入りホタルの幼虫の数を数える生息調査”をしたのが始まりです。結果はあまりに少ない2匹(推定23匹)という数字でした。これについては複数の専門家が不適正な調査であったと指摘しています。実際この夏にはせせらぎで211匹のホタルが飛んだと報告され、成虫への孵化率を考えると、23匹ではなく3000~4000匹の幼虫がいたはずだと言うことが明らかで、この事実からも調査の不適切さがわかります。区は5月にホタルの「あり方検討会」の報告をふまえ、平成27年3月末のホタル館の廃止を決定しました。「区民の声」には耳をかさず、「区議会軽視」の一方的な廃止宣言でした。区民も議員もそれぞれ説明会や区議会で、調査についての疑問や、環境課が区議会という公の場で、2月から早々と口にしてきた「ホタル持込み疑惑」「警察に相談している」などの発言に対する区の本意を、何度も質しましたが、区の回答は「調査中」「報告書作成中」「係争中なので答えられない」を繰り返すばかりでした。これが、11月の環境委員会までの経過です。そして今回の「報告書」となりました。区民や議員の質問に対してまともな回答を1年間もしてこなかった区の誠意のなさと、年度末まで2ヶ月余りというこの時期に報告書を出し、問答無用といわんばかりの形で収拾しようとする区の姿勢に怒りを禁じえません。

報告書への疑問 区は報告書で、新しい重大な報告をしています。「DNA鑑定の結果、ホタル館のゲンジボタルは北関東・東北地域のホタルではなかった」「当時の飼育委託業者『むし企画』(以下、元業者)が、花と称してホタルをホタル館に送付したのではないか」とし、「ホタル館に成虫が持ち込まれたと考えられる」、そして「元職員は、大熊町のホタルの25年の累代飼育はしていなかった」と結論づけたのです。DNA鑑定の結果は、衝撃的でただただ驚くばかりです。

福島原発事故で福島県大熊町のホタルが全滅してしまいましたが、大熊町を故郷とするゲンジボタルが、板橋区のホタル館で25年間累代飼育され毎年光を放っていました。そのことは大熊町の皆さんの励みとなり、私たちの誇りでもありました。DNA鑑定は根幹にかかわることですから重要かつ重大な問題です。区は第三者や研究者の検証もなく閉鎖的に調査をし、報告書の作成は環境課のみで作成されたものです。私たちはこのDNA鑑定を俄かに信じることができません

ホタル持込みについては「関係者甲」の証言と、宅配便ドライバーの箱の重さの感想と宅配便の伝票が証拠とされます。「関係者甲」がどういう立場の人かが明らかになっていない下で、その証言が信用に値するかどうかの疑問が残ります。また宅配伝票に記入してある「花」は「ホタル」のことと言い切るのは推測でしかありません。元職員は6月に懲戒解雇の撤回を求めて、「元業者」は7月に契約解除の損害賠償を求めて、東京地裁に区を提訴しています。裁判で真っ向から対立している一方の区が、他方の元職員や元業者のホタル持込みを一方的に主張するのは違和感を拭えません。元職員や元業者の主張がきちんと報告されていないことも納得できません。今回の環境委員会での陳情の採択時に「この報告書も係争になる恐れがある」とし“継続”に挙手した会派があったことを申し添えます。

廃止をなぜ急ぐのか そもそもホタル館の廃止を検討するきっかけは、平成24年度行政評価の「休廃止」という結果です。その取り組み期限は「平成28年3月」となっています。区は昨年5月、存続の陳情が継続審議の最中に、1年前倒しの「27年3月末」のホタル館の廃止を決定しました。当事者が裁判で係争中、廃館後のホタルの引取先が未決定という状況が追加された今回も、「27年3月末」の廃止を踏襲しています。さまざまな問題が未解決のまま廃止をなぜ急ぐのでしょうか。ホタルの引取先に関しても“補助制度は何もなく施設も経費も自腹で調達できる団体”に丸投げするという区の考え方には、区のホタル館とホタル、ひいては区民に対する責任が全く感じられません。ホタル引取先に対する条件と、区民が参加できるシステムを再検討願います。

管理責任と説明責任 区のホタル館に関する一連の責任も曖昧のままになっています。元職員や元業者の不正をあげつらうなら区の管理責任も同時に明らかにするべきですし、この1年間の区民や区議の疑問に対する区の説明責任もきちんと果たすべきです。たとえホタル館の廃止をするとしても、もっと丁寧な廃止の仕方があったはずです。区自らが取得したホタル飼育の特許を捨て、ホタルの命をぞんざいに扱ったと言わざるを得ません。区の財産を放棄した区の責任の重さは図り知れません。ホタル館の廃止・存続にかかわらず、区の責任を区民に対し明確にしてください。

抗議 区のこの一年の足早な経緯、廃止ありきの筋書きに沿ったような形でホタル館廃止という幕引きとなるのなら、年間3万人が訪れる住宅地の中のせせらぎに飛ぶホタルを楽しみ、“ホタルの棲む街”を誇りとしてきた区民としては、非常に残念無念です。2007年の教育委員会の不祥事と同様、このホタル館廃止の件が、板橋区の歴史の中で汚点となる日が来るのではないかと懸念します。さまざまな問題がある中でのホタル館の廃止に強く抗議します。


以上

2015年2月16日月曜日

ホタル生態環境館に設置された監視カメラは人の出入りも撮影していた

前回、「生息数調査の後、ホタル生態環境館は監視カメラと鎖で封鎖された」で、監視カメラの設置状況を示す写真を載せました。

更に新たな写真を見せていただいたのですが、何と! 監視カメラはホタル生態環境館の入り口にも設置されていました! つまり、出入りする全ての人の映像を撮影していたという事です。ご覧のように、監視カメラが設置されている事を明示していないので、知らないうちに撮影されてしまった人もいるのではないでしょうか。ここで撮影された画像が何の目的で誰に渡されたのかも非常に心配になりますね。
前館長がプライバシーの侵害に当たるのではないかと指摘したが、取り合って貰えなかったそうです。

板橋区の防犯カメラ運用基準に定める「防犯カメラ撮影対象区域の見やすい場所に、管理責任者等の氏名及び防犯カメラを設置している旨を表示する」という規定に違反していると思われますが、板橋区や区議会はこれを看過するのでしょうか?



この監視カメラを購入した時の手続き書類も情報公開で明らかになっています。2回に分けて購入されているようです。1回目の書類が以下です。



備考欄に「ホタル生態環境館にて飼育状況の確認等に使用するため」とあります。飼育状況の確認「等」と言えば、出入りする人々の監視にも使って良いのでしょうか? 私には目的外の使用としか思えません。

また、この書類が処理されたのが平成26年(2014年)1月6日である事にもご注意ください。つまり、1月27日に実施されたホタルの生息数調査の前から監視カメラ設置は決まっていたという事だと思います。まるで調査する前から結論は出ていたような手際の良さですね。

2回目の購入手続きの書類は以下になります。



この2回目の購入も処理されたのは平成26年(2014年)1月23日となっています。ホタルの生息数調査の実施前に早々と追加が必要になったのでしょうか。手回しの良いことです。

更に、この購入の件名が「ホタル生態環境館消耗品単3乾電池 他4件の購入」となっている点にもご注意ください。先ほどの1回目の購入も件名は「サーバーネット(SV-25) 他1件の購入」でした。件名には「監視カメラ」という名称が現れないように工夫されているように思えます。特に2回目の購入では、監視カメラが金額的にも一番大きいのですから、監視カメラを件名に書かないのは不思議です。

以上

2015年2月15日日曜日

生息数調査の後、ホタル生態環境館は監視カメラと鎖で封鎖された

2014年1月27日に板橋区によるホタルの生息数調査が行われた後、板橋区はホタル生態環境館に複数の監視カメラを設置し、さらに扉の鍵を潰した上で鎖と錠前で厳重に入り口を封鎖しました。

関係者から、その時の設置状況を示す写真をいただきましたので掲載します。私が驚いたのは、その尋常ではない警戒ぶりです。ちなみに、以下の記事に示したように、板橋区の防犯カメラ運用基準に定める「防犯カメラ撮影対象区域の見やすい場所に、管理責任者等の氏名及び防犯カメラを設置している旨を表示する」という規定には違反していると思われます。
板橋区ホタル生態環境館あれこれ: 板橋区の防犯カメラ運用基準
http://tale-of-genji-and-heike.blogspot.jp/2014/09/blog-post_71.html
おそらく設置された監視カメラは以下と同じものだと思います。人感センサーが人を感知して自動的に撮影できる仕様になっています。


以下にホタル生態環境館での設置状況を示す写真を示します。

監視カメラの設置状況




扉の鍵穴を潰して、鎖と錠を取り付けた様子


以上

1992年に報道された板橋区によるホタル見殺し事件

Twitterで菅野政治さんが1992年にあった出来事を教えてくれました。
(なお、写真中に「朝日新聞1992年10月22日朝刊」とありますが、「夕刊」が正しいとの訂正をいただいてます) 【追記】Twitterの公式な引用方法に変えました【追記終了】

この新聞記事の冒頭には以下のように記されています。
都会のマンモス団地に潤いを与えようと、ホタルの人工飼育をしていた東京都板橋区高島平の区立温室植物園が、今年6月末に閉園した時、幼虫やサナギ十数万匹を室内に置き去りにしたため、ほとんどが死んでしまったことが22日、わかった。4月下旬には、水槽にいた9万匹が死んでおり、計二十数万匹死んだことになる。
「人間の勝手で小さな命を奪い取った。非常に残念だ」。担当職員は自ら、管理日誌に悔しい思いを記している。
そして、記事の最後には、菅野政治さんが確認されたのと同様の回答を区の課長がしています(文中の個人名は○○に修正しました)。
担当の同区みどりの課の○○課長は「移転措置を考えなかったのは、落ち度といわれても仕方ない。しかし閉園せずに、幼虫の飼育をそのまま続けたとしても、従来のように次々と成虫にかえったかどうか、わからない。ウチは昨年までうまく育てたが、通常はかなり死ぬものだ」と話している。
どうせ死ぬんだから移転などしなくても良いと言わんばかりの本音が垣間見えるようです。

この報道の後、冒頭に出てきた担当職員が、窮地からホタル幼虫を救い出して、再びホタルを育てる場所を見つけたのが、板橋区ホタル生態環境館だったのです。

以上

2015年2月14日土曜日

板橋区の報告書に学ぶ印象操作テクニック(その1)

板橋区が公開した「板橋区ホタル生態環境館のホタル等生息調査結果と元飼育担当職員の報告数との乖離について(報告)」という文書(以降、「乖離報告書」)を読み始めた時、最初に目に止まったのはP.6の以下の文章でした。一読した時には、意味を誤読して、元飼育担当職員の発言を否定しているかのように受け取りました。しかし、じっくり読むと実はそうではない事が分かってきました。良く考えられた印象操作テクニックだと思います。これについて解説します。
Ⅴ ホタル生息調査時にホタルが流された発言等の検証
1 ホタルが流された発言
ホタル生息調査では、ゲンジボタルが推計 23 匹とされ、この結果が報道等で大きく取り扱われた。また、生息調査当日にホタル 70,000 匹が調査により、流され、潰されたという報道等がなされた。
調査当日は、せせらぎで、まず、サンプリングが行われ、この作業に2時間程度を要した。サンプリング中は、せせらぎの下流のピット前に区職員が付き、ピット手前の網に泥などの付着による詰まりや、この詰まりによる、せせらぎの水
位上昇等を監視していた。
なお、1~2 月におけるホタルの幼虫の大きさは、室内飼育環境で、ゲンジボタルは 15~25mm 程度、ヘイケボタルは、数 mm~15mm 程度であり、目視で確認できる大きさである。元飼育担当職員は、「この時期のホタル館に生息するホタルの幼虫は、体長はせいぜい 6~8mm 程度であり、その胴体の太さは1mm 程度のものである。」と述べ、調査中の濁ったせせらぎで、流されたホタルは、目視することは困難としている。
しかし、生息調査で発見された 2 匹のゲンジボタルは、体長が約 25~30mm であり、概ねこの時期の体長として妥当であった。
この文章の後半に注目してください。後半は以下の3つの部分から成り立っています(括弧数字と赤字は引用者によります)。

  • (1) 1~2 月におけるホタルの幼虫の大きさは、室内飼育環境で、ゲンジボタルは15~25mm程度、ヘイケボタルは、数mm~15mm程度であり、目視で確認できる大きさである。
  • (2) 元飼育担当職員は、「この時期のホタル館に生息するホタルの幼虫は、体長はせいぜい 6~8mm 程度であり、その胴体の太さは1mm 程度のものである。」と述べ、調査中の濁ったせせらぎで、流されたホタルは、目視することは困難としている。
  • (3) しかし、生息調査で発見された 2 匹のゲンジボタルは、体長が約25~30mmであり、概ねこの時期の体長として妥当であった。

最初の(1)では、何も根拠を示さず、いきなりゲンジボタルとヘイケボタルの大きさを決めつけています。根拠となる資料や論文を示して欲しいものです。

それはさておき、「ゲンジボタルは15~25mm程度、ヘイケボタルは、数mm~15mm程度」という大きさの前提条件は「室内飼育環境」だと示されている事にご注意ください。

次の(2)では、元飼育担当職員の体長推定として「体長はせいぜい 6~8mm 程度であり、その胴体の太さは1mm程度」と述べられています。一見、(1)と矛盾する主張のように思われるので、元飼育担当職員の間違いを指摘しているように感じます。ところが、生息数調査が行われた1月27日のせせらぎの水温は10.5度でした。せせらぎには水の冷暖房装置が付いていて、元飼育担当職員が水温を調節していたのです。これはいわゆる「室内飼育環境」よりも、相当に冷たい温度です。したがって、ホタル幼虫の生育も抑えられていたと考えられ、「室内飼育環境」での体長より小さくても不思議ではありません。

つまり、(1)と(2)は前提とする環境条件が違うので、矛盾していません。(1)も(2)も両方と正しい可能性があります。

最後の(3)では、発見されたゲンジボタルは体長が「体長が約25~30mm」と言っています。ところが、このゲンジボタルは、2年前に生まれてそのまま成虫にならずに過ごした終齢幼虫だっと推定されています(後述)。したがって、(1)とも(2)とも前提条件が異なります。どのような根拠で「概ねこの時期の体長として妥当」としたのか不明ですが、(1)や(2)と矛盾していません。

以上のように、この3つの部分を精読してみると、お互い前提条件の違う主張を3つ並べただけであることが分かります(2)の飼育担当職員の主張を間違いだとは言ってないのです。もしそのような印象を持ったとしたら、読者の方が誤読したと言えるでしょう。

改めて、この文章に使われたテクニックを整理すると以下のようになります。

  • 前提条件の違う主張を並べて置き、あたかも同一条件であるかのように錯覚させ、(2)が間違いだと誤読させる。
  • 誤読を気付かせる不都合な事実は記載しない。いわゆる、チェリー・ピッキング。
    例:せせらぎの水温が室内飼育環境よりも低かったこと、発見されたゲンジボタル幼虫が年越しの終齢幼虫であったこと。

実に見事な作文だと思いますが、同時に、実に不誠実だとも思います。行政の出す報告書なのですから、誤読の余地をできるだけ少なく、誰にでも分かりやすく書くべきではないでしょうか。私は、この文章を見て、乖離報告書は不誠実な文書であり、慎重に精読しないと正しく読み取れないと確信しました。

最後に、発見されたゲンジボタル幼虫二匹が年越しの終齢幼虫だった事をしめす会議録を引用しておきます。松島道昌区議のポイントを押さえた質問は秀逸だと思います。

2014.06.10 : 平成26年 区民環境委員会 本文から引用(赤字は引用者による)
◯松島道昌
 ありがとうございます。
 この施設は、板橋を代表する施設でありました。環境の板橋と呼ばれていましたし、そのシンボルになりましたし、数多くの来館者が来る施設でもありました。
 そういうことから見ても、区民にとっても大事な施設であったわけでありますけれども、最も心配なのは、今ある命をどう守るかということだろうと思います。1月27日に行われた調査の結果、推定数はゲンジが23と推定したんですよね、今の発言ではね。これ、ヘイケは推定がなかったということでしょうか。
 それと、そのときのゲンジの幼虫っていうのは、第何齢の幼虫だったんでしょうかね。それと、今、そのときの23匹いる幼虫がまさに成虫になって、これから乱舞をするだろうと思っているわけですが、もう既に時期的には、ニュースでも蛍が飛んだなんて話がありますけれども、現状はどうなっていらっしゃるのか、捕獲ができてるのかどうか、その辺も教えてください。 
◯環境課長事務取扱資源環境部参事
 報告書の中では、何齢幼虫というのは記載はしてございませんが、業者によりますと今回見つかった幼虫につきましては越年というんですか、前年の年に成虫にならなかった幼虫だと聞いております。体形的には終齢幼虫ではないかと聞いております。
 2匹見つかりましたので、計算すると二十数匹という形になりまして、現状ではせせらぎで、まずことし初めて、6月1日にゲンジボタル1匹、雄が見つかりました。6月7日にせせらぎでゲンジボタルの雄が2匹、雌が1匹です。合計、せせらぎにおいては現在、雄が3匹、雌が1匹、実際には卵をとるための採卵箱というものがあります。大体こんな大きさなんですが、そこの中に入れて卵を産んでいただくことに期待しているところでございます。
 それと、ヘイケボタルにつきましては、同じく6月7日に、飼育室の皆さん、一般の方が立ち入らない大きな水槽あるところで、ヘイケボタルが雄雌1匹ずつ見つかっております。これについても、採卵箱に入れて卵を採取するよう、今準備をしているところでございます。
 あと、調査で見つかったのはゲンジボタルだけでございます。
以上












2015年2月8日日曜日

ホタルの光~求愛光と威嚇光

ホタルの放つ光には、本来の光(求愛光)と危険を知らせる光(威嚇光)の2種類があって、実は全く違う光り方をすることをご存知でしょうか?

まぁ、かくいう私もホタル生態環境館を調べ始める前には全く気づいていませんでした。以下の動画が、この光の違いを非常に分かりやすく示しています。これほどまでに違う光になるとは驚きです。百聞は一見にしかずですね。






以上

松崎いたる区議が真相解明を求める先は板橋区であるべきでは?

松崎いたる区議が、「板橋区 ホタルの闇(14) 空疎な「威嚇光」」という記事をブログにアップされました。

内容について色々と疑問はあるのですが、ここでは最後に記された以下の文について意見を述べたいと思います。


以下のように述べられていますが、これは非常に不思議です。
なぜなら、25年間の累代飼育を証明することで、すべての疑惑は解消するからです。それができるのは、阿部氏だけです。
つい最近まで、板橋区は公式に25年間のホタル累代飼育を誇りにしてきました。前館長である阿部博士がいたからこそ実現できたという側面はあるにしても、そのために区の予算を使い、スタッフを雇い、ボランティアの協力を得てきたのです。2014年1月末に行われた生息数調査から(実はその前年の業者に対する高圧的な取り調べ実態調査をしない「あり方検討会」から)、区はその態度を豹変させました。そして、真相の究明がなされないまま、阿部博士を懲戒免職処分とし、今では区と阿部博士の間には雇用関係はありません(この処分を不服として阿部博士は裁判を起こしており、現在も係争中です)。また、阿部博士が一般職員であって、区の事業の方向性を決めていたのが幹部職員であることは、松崎いたる区議も以下のように明言しています。


松崎いたる区議が真相解明を求める先は「板橋区」である筈です。板橋区が公式にホタル累代飼育を主張してきたのですから、もしそれが違っていたのなら、板橋区として謝罪し、責任ある幹部職員に対して相応の処分を行うべきだと思います。ところが、実際には、松崎いたる区議は、一般職員であった阿部博士の責任を強く問う一方で、板橋区という組織の責任に対してはたいへん甘いように感じられます。

また、松崎いたる区議は、阿部博士から名誉毀損で訴訟を起こされていますその訴状と思われる文書は公開されています)。この件で、既に2回裁判所で審議が行われていますが、松崎いたる区議は2回とも欠席されたそうです(1回目は代理人も欠席、2回目は代理人は出席)。裁判の制度上、被告の出席は必須では無いと承知していますが、公職者として公の場での発言が問われた裁判なのですから、出席されて「疑問に誠実に回答」すべきではないでしょうか。

以上

7年間、区議会の総括質問で一度も答弁したことがない板橋区長

前回の記事「松崎いたる区議の投稿記事は坂本健区長による不当な利益供与を示すものなのか?」で取り上げた板橋区長の友人ご実家へのせせらぎ特許無償提供疑惑の件で、板橋区の会議録を検索してみたら、さらに驚くべきことが分かりました。

区議会での総括質問に対して、板橋区長は在任中の7年間、自ら答弁した事がないというのです。以下の松島道昌区議の質問で「これまで7年間、総括質問で区長は一度も答弁をされたことがない」と明確に指摘されています。

また、この質問は、このせせらぎ構築支援&ホタル提供について、区長が知っていたのかという事を問うています。区長はこの会議に出席しているのですから、当然、区長が答弁に立つかと思いきや、区長の代わりに総務部長が立っています。

そして、区長の面前で、区長から聞いた話を説明し、区長に対して「普通の正規のルートで行われているというふうに感じていらっしゃると思います」と妙に丁寧な敬語を使っています(赤字は引用者による)。何だか神聖不可侵なお殿様の前で老中が答えている時代劇でも見ているかのようです。

ここでは中身には触れませんが、7年間も自ら答弁に立たない区長に対して、板橋区の有権者はもっと怒る方が良いと思います。トップに立つものが説明責任を果たさないで、どうして政治を行っていけるでしょうか。


以下は会議録からの引用です。赤字は引用者によります。
2014.03.20 : 平成26年 予算審査特別委員会 本文
◯松島道昌
 区長はご友人でいらっしゃるということですから、この辺の事情はご存じでしょうか。この記事にも友人とありますし、また、私がこの方のお名前を検索したところ、区長と一緒にお名前が出ています。大学のご学友だということで、すばらしい論文も区長と一緒に書かれていらっしゃるようですので。
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総務部長
 職員から事情聴取をしたのを受けまして、私は区長から直接お話を伺ってございます。
 ご案内のとおりお知り合いだということでございます。金沢と板橋区が友好都市を築いたということで、実はここの新聞記事に載っている方は、ここの金沢で寺町台というんですかね、伝統的建築物群保存地区内に位置する建物で、昔はかなり有名な旅館だったと。それを移築して、水の流れを再生することで、きれいな水であるということをみんなにわかっていただきたいということで、ホタルを、板橋で有名なホタルだと。そういう中で区長にお話があったということを聞いてございます。区長は、職員に紹介したということでございます。その後は、当事者同士が連絡をとり合ってやっているというふうに聞いてございますので、普通の正規のルートで行われているというふうに感じていらっしゃると思います
 また、これ1件じゃなくて、職員が約115件の工事をしたと言ってございますけれども、区としては25の工事しかうちのほうは確認してございませんので、残る90についてはどういういきさつでやったかというふうには、今断言できないのかなと。
 非常に、ここでは明治45年からいろんな、これ何て読むんですかね、私ちょっと読めない。かなり著名な方がですね、宮様もいらしたとか、吉田茂さんが使ったという、すごく歴史的には非常に価値のある建物でございまして、それを金沢のまちにふさわしく、そして環境をきれいにしたい、そのシンボルとしてホタルをということで、友好都市を築いたということもございまして区長に相談があったということでございます。そういう意味では非常に、ここの新聞にありますように、友好都市の本当のきずなのためにご努力をしていただいたものだと思ってございます。今回このようなことが区政の中で起きているということは、この方に対して非常に迷惑をかけているんではないかなというふうに思ってございます。
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◯松島道昌
 今、区長から資料が出まして読んでいただいたんですけれども。できたら区長に直接お答えいただくのが、一番区民の皆さんもよろしいんじゃないかと。区長は、前区長を継承して坂本区長が今いらっしゃいますけれども、これまで7年間、総括質問で区長は一度も答弁をされたことがないということでありますよね。私、区長の答弁というのは、実は区民に対しての説明責任もありますけれども、同時に職員に対しての、後ろにいる理事者の皆さんに一つの方向性を示すよい機会だというふうに思うんですよね。ぜひ積極的に答弁されたいんじゃないかなというふうに所見を申し上げまして、この項を終わりにして次の質問にいきます。残りがあと15分になりますので。
         (「おかしいよ、ちゃんとやってよ」と言う人あり)
以上

2015年2月7日土曜日

松崎いたる区議の投稿記事は坂本健区長による不当な利益供与を示すものなのか?

【2014-02-10 02:30追記】
本記事を2015年2月7日3:42に投稿したところ、2月9日19:38頃、日本共産党の松崎いたる区議から、本記事は坂本区長から名誉毀損で訴えられる可能性があるとの指摘をいただきました(経緯は以下に示します)。私としては、区長が担当者を紹介したとする新聞記事と、板橋区に本件に対する特許料収入がなかったとの事実認識との矛盾から、一つの可能性として不当な利益供与の疑いを示したつもりでした。対象が板橋区長という公人とその公人としての行為であることから、公共の利害に関する事実に係るもので、公益性を図るものであって、真実と思われる程度の根拠があると考え、名誉毀損には当たらないと思っておりました。
しかしながら、もし、本記事によって、私が不当な利益供与だと決めつけたとの誤解を与えたようでしたら深くお詫び申し上げます。あくまでも可能性の一つの提示にすぎません。
【2014-02-10 02:30追記終了】

板橋区の松崎いたる区議からFacebookに重大な投稿があったと友人が教えてくれました。


松崎いたる区議は以下のように記載しています。
私のブログ「板橋区 ホタルの闇(14) 空疎な『威嚇光』」に追加掲載した資料。北國新聞2010年10月19日付。金沢産のホタルを板橋区で預かり飼育してきたことになっていますが、事実であるとは思えません。この放流に区は関係していません。かかった経費を誰が受け取ったのかも不明です。 
http://itall.exblog.jp/21533678/
そして以下の新聞記事の写真が資料として参照されています。


これは、2010年10月19日の北國新聞に掲載されたものらしく、金沢市寺町に住む村島外三雄さんが、ご自宅の庭のせせらぎに500匹のホタル幼虫を放流して、ホタルが無事に成長すれば鑑賞会を開きたいと語ったという美談を記事にしたものです。たいへん素晴らしい取り組みだと思います。この時、金沢に生息するホタルを採取して繁殖させ、せせらぎの環境を整えた上でこの庭に持ってきたのが、板橋区ホタル生態環境館の阿部館長だったと書かれています。

問題なのは以下の一文です。
今年に入り、村島さんの長男聡乃さん(45)が知人の坂本健板橋区長(50)にホタル飼育の話をしたところ、阿部さんを紹介された
板橋区長である坂本健氏が板橋区の職員であった阿部館長を紹介したという事は、阿部館長に対してホタル飼育を支援せよとの業務命令があったと見て良いでしょう。
ところが、松崎いたる区議は「この放流に区は関係していません」と明言しています。なぜこのような矛盾が生じるのでしょうか?

実は以前、板橋区の持つホタル飼育特許の使用料収入を調べた区民がいます。その調査によると、この村島邸のせせらぎ施行に関する特許使用料収入は無かったらしいのです。ちなみに、板橋区では、「ホタル飼育事業に係る板橋区有著作権及び特許権等に関する要綱」を定めており、例えば、せせらぎに特許を施した場合には、利用者は1件につき120万円の特許使用料を払う必要がありました。つまり、この案件では正規の特許使用手続きを行っていなかったのでしょう。これが「区は関係していません」という発言に繋がっているのだろうと思います。

しかし、坂本健板橋区長が職員に対して支援を命令したと思われるにも関わらず、その支援で発生する特許使用料が徴収されていないのは重大問題ではないでしょうか? 坂本健板橋区長は、友人に対して、本来受け取るべき特許使用料を免除するという不当な利益供与を行った疑いがあるのではないでしょうか? 板橋区議会には、この疑いに対する真相究明をお願いしたいと思います。

以上

2015年2月1日日曜日

松崎いたる区議が駆使する藁人形論法

日本共産党の松崎いたる区議が、ご自身のブログ記事「板橋区 ホタルの闇(13) 飼育担当者の「反論」は何を語るか?板橋区の乖離報告書への反論文書に対して、さらに反論しています。今回は、その中で指摘されている、ホタル生態環境館のあり方検討会を「「知らなかった」責任は阿部氏にある」という点について検討します。
(ちなみに、松崎いたる区議は、元館長である阿部博士から名誉毀損で訴訟を起こされています。その訴状と思われる文書は ここ に公開されています)

具体的には、松崎いたる区議は以下のように述べています。文中にある「板橋区未来創造プラン」は、正確には「いたばし未来創造プラン」のことです。



この文章の中では、「いたばし未来創造プラン」と、そのプランに基づいて編成される「あり方検討会」が混同されて論じられています。

阿部博士の代理人が出した反論文書の中では以下のように述べており、ホタル生態環境館の「あり方検討会」の存在を阿部博士が知らなかった事を指摘しています。
しかし、そもそもこの「あり方検討会」なる存在を阿部氏は知らないし、そのような存在を聞かされたこともない。
一方、阿部博士は「いたばし未来創造プラン」については知っていたと思われます。2013年6月の時点では、私もホタル生態環境館の関係者から板橋区行政評価の中でホタル生態環境館について指摘があったと聞き、記事を書いています。この行政評価を受けて、プランの中でホタル生態環境館が見直し対象に入ったのですから、プラン自体を知らなかったとはまず考えられません。

しかし、松崎いたる区議は、「あり方検討会の存在を知らされていなかった」という主張を、「いたばし未来創造プランを知らなかった」という主張にすり替えて反論しています。これは藁人形論法ではないでしょうか。

あらためて、反論文書の該当部分を引用します(赤字は引用者による)。
本件報告には「平成 25 年度より、ホタル生態環境館のあり方について、資源環境部にあり方検討会を設置し、検討を行ってきた」(「Ⅱ 経緯」)との記述がある。
しかし、そもそもこの「あり方検討会」なる存在を阿部氏は知らないし、そのような存在を聞かされたこともない。
続けて、本件報告では、「ホタルの飼育を長期間専属的に行っていた元飼育担当職員(平成 26 年 3 月退職)及びむし企画(ホタル飼育委託契約業者)職員に対し、ヒアリングを行い、施設の現状の把握など施設の今後のあり方を検討してきた」と記し、あたかも「ホタル生態環境館のあり方について」、この「あり方検討会」によるヒヤリングが阿部氏に対してなされたかのような流れとなっている。しかしこれは全くの虚偽である。阿部氏に対して「あり方検討会」がヒヤリングを行ってきた事実はまったく存在しない
ここでは、板橋区が阿部博士に対して「ヒアリングを行い」と書いているにも関わらず、あり方検討会がヒアリングを「行ってきた事実はまったく存在しない」という矛盾が指摘されています。ありていに言えば、板橋区が虚偽の説明をしていると指摘されているのです。

ところが、松崎いたる区議は、「阿部氏には、自分が「あり方検討会」に参加していないことに不満があるようにも読めます」と、ご自身の主観で反論の主張を読み替えて、それに反論しています。これまた典型的な藁人形論法に見えます。

なぜ、松崎いたる区議がこれほどまでして板橋区を擁護し、阿部博士に全ての罪を負わせようとするのか理解に苦しみます。

以上

松崎いたる区議のブログに掲載を拒否されたコメント

少し前の話になりますが、日本共産党の松崎いたる区議が、ご自身のブログに以下の記事を掲載しました。
板橋区 ホタルの闇(12) 開いた闇への扉 : 板橋区のいたる所にいたるがいたよ~松崎いたるの日々雑感
http://itall.exblog.jp/21502611/
この記載内容について、質問や意見があったので、1月24日の深夜に上記ブログ記事に3件のコメントをしました。松崎いたる区議のブログではコメントを承認制で運用していて、すぐには公開されません。一晩明けても公開されないので、ツイッターで確認したところ、以下のように掲載拒否されてしまいました。


現在では、この掲載拒否のツイートも削除されています。
公職者は、公に表明した意見について一定の説明責任があると思っていたので、答えていただけると期待していたのですが残念です。せっかく書いたコメントなので、記録のために以下に掲載します。特に凄いことを書いた訳ではないので、読んだ人はがっかりするかもしれませんが。

読みやすくするために、引用部分にインデントを付けたり、URLをリンクにしたりする変更は行っています。内容はコメントに投稿したものと同一の筈です。また、投稿時刻は私が控えていたもので正確ではありません。公開されないので確認のしようがないのです。

コメント1件目: 1月25日01:05頃

こんばんは。ようやく報告書を読み始めたところです。
いくつか確認させてください。

(1)クロマルハナバチのフェロモン抽出について

さらにこの管理日誌には1日置きに「クロマルハナバチ♂よりフェロモン抽出」という作業がおこなわれていることになっています。ハチからどうすればフェロモンを抽出できるのでしょうか?――まったく意味不明の作業です。
と書かれていますが、例えば、以下の報告書を見ると、クロマルハナバチはフェロモンを持っていると思われます。
おそらく抽出方法も存在していると想像しますが、そうではないのでしょうか?

https://www.env.go.jp/nature/intro/4document/sentei/ins_bombus03/mat03.pdf

(3)生殖攪乱
<共通認識>
・フェロモン成分がクロマルハナバチとオオマルハナバチのものと共通の成分を含んでいることが確認されている。
・実験室では、クロマルやオオマルのメスにセイヨウのオスが誘引され、交尾に至ることが確認されている。
・室内実験では、セイヨウのオスと交尾したクロマルハナバチ女王蜂は受精卵を産下するが、その受精卵は孵化には至らないとの報告がある。

コメント2件目: 1月25日01:10頃

(2)箱詰めホタルの送られた時期について

以下のように記載されています。

この記事のなかで阿部氏はまず、区の報告書がホタルが箱詰めされ宅配便で外部から持ちこまれていたとしていることについて、「8月にホタルを運ぶためには、保冷剤を詰めて温度を一定以上に保たなければ死滅する。空箱のようだった(と宅配便業者が証言している)ということは、ホタルが入っていない証拠」と反論しています。


報告書には、酸素で膨らんだビニール袋にホタルが詰められ、それが発泡スチロール箱に収められている写真が添付されています。
 この写真は、阿部氏の説明によれば、ホタル館に持ちこまれたホタルの写真ではなく、鎌倉の有名神社のホタルをホタル館で預かったときに撮られた写真ということになっています。


ところがこの写真には阿部氏の反論どおりならあるはずの保冷剤などありません。そもそも、宅配便業者が重さを感じるほどの保冷剤なら相当の数量となるはずですが、阿部氏はどれほどの保冷剤が必要なのか、知っているのでしょうか。
しかし、板橋区の報告書には、以下のように、この箱詰めホタルが送られたのは6月7日付近だったと思われる記載があります。8月と6月7日ではずいぶん気温も違うため、保冷剤の必要性や量も異なってくると思いますが、その点について、どのように評価されているのかご教示ください。

平成 25 年 6 月 7 日に区職員がホタル生態環境館に行った際、ホタルの入った箱を発見し、写真①を記録した。元飼育担当職員は、某神社担当者(以下、「乙神社担当者」という。)が、持ってきたもので、ホタルを 3 匹(内メス 1匹を入れる)に分ける作業をホタル生態環境館で行い、仕分け後、乙神社担当者に届けるホタルであると発言している。

コメント3件目: 1月25日01:15頃

(3)飼育記録簿の記載方法について

以下のように記載されています。私は、この記録方法は妥当なものだと思います。過去のデータと照らし合わせないと、今回のデータが多いのか少ないのか判断がつかないと思うからです。非常に興味深いデータです。もし、Excel等、データとして活用できる形式で打ち直されていたら、ぜひそのデータも公開してください。

たとえば「ホタル飼育記録簿」なるものは、ゲンジボタル、ヘイケボタルそれぞれの卵数、孵化数、幼虫数、上陸数、羽化数を書き込むことになっていますが、ふしぎなことに過去15年のデータ(数字)があらかじめ印字された用紙になっています。
 そのとき、そのときのデータを記入すれば済むのに、過去のデータと見比べながら記入するようになっているのは、はじめから記録にバイアスをかけているようなものです。

以上





松崎いたる区議が指摘する幼虫の大きさの問題について

日本共産党の松崎いたる区議が、ご自身のブログで板橋区の乖離報告書への反論文書に対して、さらに反論しています。今回は、その中で紹介されているホタル幼虫の写真について気になる点を指摘します。
(ちなみに、松崎いたる区議は、元館長から名誉毀損で訴訟を起こされています。その訴状と思われる文書は ここ に公開されています)

まず最初に非常に興味深い以下の動画をご覧ください。これは、2014年1月30日(板橋区による生息数調査のすぐ後)に、以前から元館長と親交のあった人が心配してホタル生態環境館を訪れた際、元館長がホタル生態環境館の水槽から採取したホタル幼虫を見せ、その見学者がその場でスマホのカメラで撮影したものです。比較的まっすぐな姿勢の幼虫が2匹、丸まってほとんど動かない幼虫が7匹(8匹?)写っています。私も、もう少し小さい幼虫を見せてもらった事があるのですが、幼虫の身体が細いので肉眼だとゴミか何かと間違います。動いているのを見て、ようやくそれが生き物であることに気づいたのを覚えています。


ホタル生態環境館での飼育の中心はガラスハウスの中にあったせせらぎでした。しかし、ホタルが棲んでいたのはせせらぎだけではありませんでした。古い木造の倉庫のような建物の中に、大きなガラスの「生態水槽」が複数置いてあり、そこにもホタルが生息できる環境が整えられていたのです。生態水槽の水温はせせらぎと同じ温度にコントロールされていて、せせらぎと同じようにホタルが生育していたそうです。

2014年1月27日に実施された板橋区の生息数調査の直後、せせらぎのあるガラスハウスには鍵が取り付けられ、入室には管理職の許可が必要となりました。しかし、生態水槽が置いてあった棟はまだ出入りできたので、元館長がスポイトで生態水槽からホタル幼虫を取り出して、この動画を撮った見学者に見せてくれたのです。

さて、翻って、板橋区の出した「板橋区ホタル生態環境館のホタル等生息調査結果と元飼育担当職員の報告数との乖離について(報告)」に載っているホタル幼虫の写真をご覧ください(下の写真)。ホタル幼虫の大きさ・太さに驚きませんか? 上の動画とは別の虫のように思えるほどです。


この写真は、以下の文章と共に掲載されています。ヘイケボタルを1匹も発見できなかった生息数調査の後に仕掛けたトラップ(ホタルの餌を入れてせせらぎに設置する箱)で捕獲されたホタル幼虫のように思えます。2月1日報告とあるので、撮影された時期は上の動画とほぼ同じです。
また、元飼育担当職員が仕掛けたというトラップ(平成 26 年 2 月 1 日報告)により、捕獲したヘイケボタルは、写真(トラップ内のヘイケボタル)のように、約 30 匹中で 10mm 程度のもの(現ホタル飼育担当者が確認)が数匹確認された。このように元飼育担当職員の言うような大きさ(6~8mm)ではないものがあった。
しかし、非常に注意深く読むと、「写真(トラップ内のヘイケボタル)のように、」と記載されていて、2月1日にトラップで捕獲された幼虫の写真なのか、その時とは別に、トラップの中にヘイケボタルを入れた「再現写真」なのか、分かりにくく書いてある事に気づきます。また、「10mm 程度のもの」や「30 匹中」、「匹」のように敢えて曖昧な書き方になっています。なぜ、明確に体長をミリメートル単位で計測して正確な数を書かなかったのでしょうか? さらに、体長測定が重要だと分かっていた筈なのに、写真を撮る際に大きさの基準となるモノサシを置いてないのも奇妙です。

せせらぎと同じように温度コントロールされていた水槽にいた幼虫(動画に写ったもの)と、なぜこんなにも大きさや太さが違うのでしょうか? 動画との落差とこの説明文の書き方を見て、私は報告書に載った写真が本当にトラップにかかった幼虫を撮影したものなのか強く疑っています。

以上