2016年11月13日日曜日

ナノ銀による放射線低減現象の研究とは (通称:ナノ銀除染)

ネット上ではよく「ナノ銀除染」という言葉で表現されていますが、これが何を指すのかについて説明しようと思います。

「ナノ銀除染」とは、正確には「ナノ銀による放射線低減効果の研究」と言うのが妥当だと思います。この研究についてはまだ原著論文が出ていないので、今のところ、研究会の発表要旨や発表内容を見るのが良いでしょう。この研究の周辺には、様々な人が関与した実践的な除染実験もありますが、科学実験としての精度から見ると、過去3回報告された研究会発表が最も情報源として適しています。

2013年2月の研究発表

最初は、2013年2月に高エネルギー加速器研究機構で開かれた研究会「放射線検出器とその応用」(第29回)での発表です。発表要旨は以下にあります。



この発表要旨の中で、放射性セシウム等で汚染された水に、パウダー状のナノ銀担持骨炭を混ぜたものの放射線強度を測ったグラフが示されています。このグラフを見ると、数日の間に放射線強度が20%程度下がっています。対照系との比較からも、明らかに激しい低下が観測されており、さすがに計測ミスとは考えにくく、本当に放射線が低減しているのではないかと思えます。


ちなみに、この研究会では全部の要旨資料が研究会のWebサイトでPDFとして公開されていました。該当部分を抜き出して別にしたのが上記の資料です。ただ、その後、全体の要旨資料はアクセスできなくなりました。また、その後のアイソトープ学会での発表では、要旨は紙媒体で配布されるだけで、PDF公開されていませんので、他の発表については、要旨や発表内容から情報を抜き出して私のブログで紹介しています。

2014年7月の研究発表

2014年7月に行われた2回目の研究会発表の内容についてはブログ記事で紹介しました。この時はカリウム40に対する適用結果が出され、不確かさ概ね3%~12%に対し、約20%の減衰率だと提示されました。


実験の要点は以下にまとめてあります。ナノ銀による放射線低減効果が、放射性セシウム以外の放射性物質(40K)に対しても発現していると思われる結果です。実験に使用された試料は誰でも購入できるカリウム肥料であり、かつ、ナノ銀もUFS-REFINE社で販売されているものなので、両者を組み合わせた追試はかなり容易になる筈です。



また、この研究発表では、セシウム汚染土壌に対するより精緻な実験結果も示されました。ナノ銀コラーゲン液を使ったB試料に対して、唯のコラーゲン液を使った対照実験用にA試料を用意し、放射線低減を比較しています。この点については、発表時に投影された資料を元に以下のブログ記事に載せました。


さて、2014年7月の研究発表ではポスターも出されてます。ポスターでは、2011年5月から行われた初期の実験結果が示されました。バックグラウンドを計測していない等、不備な点もありますが、初期の減衰の大きさを示す点でたいへん貴重な実験だと思います。



2016年7月の研究発表

最後は2016年7月に行われた研究発表の内容です。これについてはごく簡単に以下のブログ記事で述べました。


この発表で最も印象に残ったのは、過去の実験データを精査した結果、Cs-134とCs-137の放射線の減衰の仕方に相違がある事が分かった、という話です。これは初期の実験結果を見た時からの疑問の一つでした。Cs-134とCs-137は異なる元素ですから、全く同じように減衰するとは思えません。しかし、少し見ただけでは同様な減衰に見えていたのです。相違が分かって一つスッキリしました。

発表要旨資料の在り処

上述した2014年と2016年の研究発表の要旨資料は、以下に登録されています。たぶん複写依頼できると思います(やってみた事はありませんが)。


以上


2016年11月6日日曜日

訴訟が決着しない内にホタル館の跡地利用を検討する板橋区

2016年6月6日の板橋区議会第二回定例会にて、中妻じょうた区議と坂本健区長の間で、ホタル生態環境館の跡地利用について質疑応答がありました。

この質疑で、ホタル生態環境館のあった場所が、その周辺には珍しい「第1種中高層住居専用地域」であることを知りました。土地を活用したいという要望があるのは分かりますが、閉鎖に至る経緯の中で発生した訴訟(元館長が処分取消を求めて板橋区を訴えた訴訟など)が継続中であり、かつ、本件に関して管理職の監督責任が明らかにされていないという状況で跡地利用の検討を進めるのは時期尚早ではないでしょうか。まず訴訟の解決と監督責任の明示が先決だと思います。

以下にこの質疑応答部分を抜粋します。

2016.06.06 : 平成28年第2回定例会(第1日) 本文

21 : ◯中妻じょうた議員
<略>
 最後に、地域課題についてお伺いします。
 まず、ホタル生態環境館の跡地活用について、現在の区の検討状況をお答えください。
 私としては、高島平四丁目、五丁目には生鮮食品を買える店がなく、住民が買い物難民化しており、大変お困りだという状況を考慮すべきだと考えます。何しろこの地域では、移動販売車を呼んで巡回してもらうことを検討していると聞いています。ここは本当に東京23区なのかと驚くばかりです。高島平四丁目、五丁目の用途地域はほとんどが第1種低層住居専用地域であり、コンビニすら建てることが難しいのですが、ホタル館跡地だけは第1種中高層住居専用地域になっており、ここならば店舗を建てることが可能です。ホタル館跡地は、例えば1階の一部にスーパーマーケットを入れ、2階以上に保育園やおとしより相談センターを入れた複合施設といったような、地元のニーズを調査、反映させ、買い物難民を解消するような跡地活用を行っていただきたいと思います。地元の強い要望にぜひ応えていただきたいと思いますが、見解を伺います。
<略>

24 : ◯区長(坂本 健君)
<略>
 次は、ホタル館跡地活用に関連いたしまして、区の検討状況についてのご質問であります。
 板橋区ホタル生態環境館は、施設の老朽化や技術継承の困難等を理由に、平成27年3月31日をもちまして業務を終了し、昨年度に建物を解体して、現在、更地となっております。当該施設の跡地活用につきましては、庁内検討を進めているところでありまして、検討結果がまとまり次第、ご報告をしてまいりたいと考えています。
 次は、跡地への複合施設の建設についてのご質問です。
 ホタル生態環境館の跡地活用につきましては、全庁的な視点で活用方法を検討しているところであります。ご提案のスーパーマーケット等の複合施設の整備につきましては、跡地活用の検討における可能性の1つとして承りたいと考えています。
<略>

以上


松崎いたる区議が訴えられた理由(4)

2016年3月9日に行われた板橋区の予算審査特別委員会 区民環境分科会の議事の中に興味深い発言がありました。本議事は板橋区議会会議録システムで簡単に検索できます。

この会議の中で資源環境部の井上参事の退職の挨拶がありました。

会議録からの引用開始

◯大野はるひこ

 時間もないのでわかりました。どうもありがとうございます。

 それで、次に、今年度3月31日をもって資源環境部の井上参事が退職されます。最後の仕事ということになるわけなんですが、板橋区は、環境都市宣言もしています。私がもう10年になりますか、前に当選したときには、井上参事は保育サービス課長であったんですが、今、環境部参事ということでご退職されるんですが、これからの環境施策について思うこと、そして今年度最後の予算に携わられたわけなんですが、何か思いを込めて予算編成に携わられたと思います。ちょっとお言葉をいただきたいと思います。

◯環境課長事務取扱資源環境部参事
 思いのたけを語らせていただきます。余り難しいことではないんですが、私ども、環境課につきましては、来年度予算は新規事業、大きな予算をとった新規事業とか既存事業の中で大きく予算を増額したというものは残念ながらございません。では、どうするのかということになりますが、まず現時点で、やはり来年度に力を入れて取り組むべきものがあるというふうに考えております。

・・・<略>

会議録からの引用終了


この発言のしばらく後に、松崎いたる区議と主査の間で以下のようなやりとりがありました(赤字は引用者による)。非常に興味深いのは、松崎いたる区議が「私が訴えられている事件は名誉棄損問題でありまして、表現にかかわる問題であります」と述べている点です。松崎いたる区議は、Twitterでは、「区職員の非行を批判したことで裁判にかけられる」と発言していますが、区議会の発言では、明確に名誉棄損問題であって表現に関わる問題だと認識されているようです。


会議録からの引用開始

◯松崎いたる

 きょうはホタルのことを言うまいと思っていたんですけれども、井上参事の話を聞いたら私もちょっとうるっと来てしまいまして、最後だということなので改めてお聞きしたいと思うんですけれども、井上参事は今さっき年間3,000万円近くかけていた予算が来年度からゼロになると、これは大きな成果だとおっしゃられました。私もそのように思います。年間3,000万円の財政負担を25年以上も板橋区民は支払い続けてきたんですが、その成果が全くなかったというような事態になった。成果がなかったというのは、初めから私はなかったものだと言わざるを得ない状況があります。これはまだ疑いの段階かもしれませんけれども、逆に言えばホタルを累代飼育していたという証拠が何一つ出てこない。25年間やっても出てこなかったというのが今の事態だと思います。こういった事業は賛否両論あるとおっしゃいましたけれども、確かな証拠もないのに25年間も続けてきたということ自体が異常なことだというふうに言わざるを得ないと思います。

 この3,000万の予算をゼロにするに当たっては、2014年1月27日に実態調査があり、そこから約1年間かけて調査報告書になり、そこからまた1年かけて今度の施設の廃止ということになりました。これだけでも3年間ですけれども、その2014年1月27日の実態調査に至るまでの内部調査にこれまた1年かけていたこととすると、4年間本当に大変な苦労の調査の上でこういった事態になったというのは、私は板橋区政の中でも特筆すべき取り組みだったというふうに思います。

 そういった意味では、この決断をしたということには私も高く評価したいというふうに思いますが、お聞きしたいのは、ただそれだけでは済まされないということなんです。というのは、さっきも言いましたように年間3,000万円、これを25年間、最後のほうは調査を始めたということで必要な予算だとしても、平成元年から始めて25年間それぐらいの予算をかけてきて、トータルを1回聞いたけれども、記録が残っていないからわからないと言うんだけれども、少なくとも10億円以上です。これはTBSなんかの取材でも10億円以上かけてきたということは言われています。この10億円以上のお金をかけてきて何をやってきたんだという反省をきちんとしていかないといけないというふうに思います。これはお金だけの問題じゃなくて行政が、あるいは行政施設が丸ごと特定の人物によってゆがめられ操られてきた、行政自体がゆがめられてきたという問題だと捉えれば、決してお金を返してというだけでは済まされない。やっぱり今後、公正な立派な行政をしていく上できちんと実態を解明して、区民にこういうことだったんだとお知らせしないといけないと思うんです。その点では、参事、今回で退任されるわけですけれども、次の課長なり、環境課の人物にきちんとこのことを引き継いでいただいて、総務部とも協力、協働しながらこの事態、4年かけて実態解明してきたこの事態をきちんと区民にも知らせていくということもやって区民にも考えていただく、こういう取り組みをしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

◯主査

 ちょっと待ってください。この件につきましては、今、裁判をやっている最中でもありますし、発言をした松崎委員自身もそこにかかわっている問題ですから、ここでそれを議論したとしてもそれは一方的な話にもなりますので、この件についてはこの程度で議論をとりあえず私としてはやめていただきたいというふうに思います。

 松崎委員、どうですか。あなたも一応この件については、裁判のほうでいろいろとやっているんでしょう。ですから、ちょっと待って。この件については、そういうような事情がありますので、この辺でこれについては裁判の結果が出てからでもよろしいかというように思いますので、この件についてはこの程度で私としてはとどめておきたい。

◯松崎いたる

 せっかくのご意見ですけれども、私が訴えられている事件は名誉棄損問題でありまして、表現にかかわる問題でありますので、それよりも先に板橋区は、平成元年からホタル事業をやってきたということについてでして、裁判とは関係なしにホタル館での事業を反省するのかしないのかと、今後も私はお聞きしたいのは、参事がおやめになった後もきちんとホタル館の事業で何があったのかというのは区民に説明をしていただきたいということですので、裁判にかかわるという話ではありませんので、一言お答えいただければこれで私もやめようかと思っていますが。

◯主査

 いいですか。申し上げておきますけれども、私はその最初の最初からかかわっておりますから、そういう意味では、この件については実際問題、裁判も行われておりますから、私が関連と言ったのはその関連であります。そういうことなので、この件についてはこの程度でとどめておいて、質問があるなら別の質問にしていただきたいというように私は思います。

◯松崎いたる

 では、ホタル館についてではなく、今後の環境行政について今まで平成元年からの環境行政について、きちんと反省をして見直すということについてはお考えがあるのかどうかということでお聞きします。環境行政ということで。

会議録からの引用終了

以上

ピアレビューつきの論文が出れば、「インチキ」評価を撤回、謝罪すると松崎いたる区議が表明

記録のために残しておきます。松崎いたる区議が私のツイートを引用して2016-10-24 00:41:15に、以下のようなツイートを発信されました。その後、このツイートにアクセスできなくなっていますが、訂正や撤回はされていないとの認識です。
「浅学俊郎様、ナノ銀で核変換が起きることを証明してくれれば、「インチキ」という評価は撤回し、謝罪します。ピアレビューつきの論文でもけっこうです。」
私の認識では、ピアレビューつきの論文が出たからといって解決される話ではない筈ですが、松崎いたる区議の意思は承りました。


以上

2016年10月30日日曜日

名誉毀損発言の対象について

Twitter上での議論の延長なのですが、なぜかTwitterでは返信や引用がシステムから拒否されていて原因が良く分からないので、このブログに書きます。

私が以下のように発言しました。(以下、引用文は段下げで表現します)

https://twitter.com/sengakut/status/790905569792012288
松崎いたる区議が訴えられた原因は、正当な批判をしたからではなく、「インチキ」「詐欺」「ペテン師」といった言葉で原告を執拗に誹謗した事にあります。名誉毀損の訴訟です。
この「ペテン師」という言葉に対して、以下のように相手を特定していないから名誉毀損ではない、という趣旨の反論がありました。例を2つ挙げます。

https://twitter.com/funkyfungifun/status/791772263985008640
その2回のツイは、いずれも対象は特定の人物ではないので、浅学氏がいうような誰かの名誉毀損する内容ではありません。
それを阿部氏のことだと原告側が主張するって事は、あの仮定文に阿部氏が当てはまりますと原告側が認定してるってことになりますね。
https://twitter.com/k2gtr/status/791988893251809281
Wikipediaより https://ja.wikipedia.org/wiki/名誉毀損
>名誉毀損が成立するには特定人に対してなされたものであることを要し、「東京人」や「関西人」のように単に漠然と集団を対象としても名誉毀損は成立しない
上記について、私の考えを述べます。
まず、名誉毀損の対象については、法律的には以下の解釈だと思います。ツイートに名前を明示しないからと言って対象を特定できないとは言えないとの理解です。

http://www.fuhyo-bengoshicafe.com/bengoshicafe-12441.html
ネット上で相手をはっきり特定せず、イニシャルやニックネーム、伏せ字などを使って書き込みをした場合、その書き込みを客観的に見た第三者が、書き込まれた対象を特定できるかどうかが問題になります。
これを前提として、私は2つの理由によって、松崎いたる区議が以下のツイートで「ペテン師」と言った対象は阿部宣男博士だと考えます。



1.この発言を含む(少なくとも)数ヶ月の間、名誉毀損行為が継続していたこと

これについては、2015年4月9日に原告から出された「請求の変更の申立」に記載された被告による一連の発言を見れば、「放射能が消せるクスリ」がナノ銀を指し、ナノ銀による放射線低減効果を研究している阿部宣男博士を暗に名指ししたものだという事は明らかだと思います。

参考までに、この申立書でナノ銀に関する継続的な名誉棄損行為について記述された部分を引用します。(イメージからテキストを書き起こしたので、文に間違いがあるかもしれません。コメント欄等にてご指摘いただければ訂正します)
(2) ナノ銀に関する継続的な名誉棄損行為 
特にナノ銀に関する名誉棄損行為は以下の通り続いている。(以下はフェイスブックからのみの紹介である) 
① 平成26年12月23日
ニセ科学、インチキ科学を「インチキだ」と警告すると罰せられるとしたら、おかしな世の中だ。オレオレ詐欺の電話を受けた人に「もしかしてホントに息子さんかも」なんていうことがどんなに危険か、誰にでもわかるはずだ。 
② 同年12月27日
ナノ純銀にSTAPを嘲笑う資格はない 
③ 同年12月30日
放射能が消せるクスリがあったらいいと思いませんか? あったら汚染水 の問題などすぐに解決できるのに…。でもそんなクスリはどこにもありません。どんなに「研究」しても無理です。「ある」という人がいたら無知かペテン師です。 
④ 平成27年1月11日(以下はすべて平成27年)
「溺れる者は藁をもつかむ」というけど、ロープや浮き袋があるのに、溺れている人に藁を差し出すのは、犯罪的だと思う。ニセ科学、ニセ薬って…。 
⑤ 1月22日
板橋区ホタル館の阿部宣男・元職員の根拠のないウソ話に日本大学工学部長までだまされていたようです。闇は深い 
⑥ 2月15日
ナノ純銀で放射線低減」というニセ科学が政治家に取り入った瞬間。 
⑦ 2月21日 
飼育担当職員の非科学的な妄想にもとづく「実験」「研究」 
⑧ 2月26日
インチキ除染にご注意を! ナノ銀で放射能、放射線は低減できません。 
⑨ 3月24日
放射能は消すことはできません。板橋区ホタル生態環境館が、このようなニセ科学、インチキ科学の発信地になってしまったことを究明すべきです。 
⑩ 4月3日
ファブリーズでも除染できそうですね RT @a_iijimaa1: @konamih 訴状のp.8、「ナノ銀担持物質をとおして菌が除去できるのであれば、放射性物質にも効力があるのではないか」って、論理の飛躍がすごいですね。 
原告は訴状において「バカげた」,「インチキ」、「詐欺」、「非科学的・ニセ科学」、「トンデモ」「いかがわしい」、「たわ言」,「でっちあげで」あるという事実の摘示が,被告によってなされたことを主張したが,今回も継続して「インチキ科学」「インチキ除染」「ニセ科学」を繰り返すとともに,「無知かペテン師」「根拠のないウソ話」「非科学的な妄想」等と,事実の摘示を行い,もって原告の社会的評価を貶め続けたのである。

2.裁判の中で対象についての争いがないこと

被告から公開された被告側の準備書面を見て私が理解したところでは、この名誉毀損裁判における被告の主張は、端的に言えば、阿部宣男博士は間違っている筈だから、インチキ等と指摘しても良いのだ、というものです。

この名誉毀損裁判で、訴状(その後の訴えの変更申立も含む)に挙げられた個々の被告の発言が阿部宣男博士に向けられたものであることについては、原告と被告との間に争いは無いと認識しています。

つまり、裁判の場で争われていないのであるから、対象が阿部宣男博士であることについては、被告も認めているのだろうと考えました。

以上

2016年10月23日日曜日

「ホタル生態環境館あり方検討会」に議事録は存在しなかった

板橋区ホタル生態環境館の今後の施設のあり方を決めるために「ホタル生態環境館あり方検討会」が板橋区内に立ち上がったとされています。

区の公式の広報によれば、以下のような日程で検討が進められた事になっています。
   平成25年5月・6月 担当者との打合せ
   平成25年8月   第1回検討会
        〃     足立区のホタル飼育施設の調査・視察
          〃     渋谷区のホタル飼育施設の調査・視察
            〃     東京都夢の島熱帯植物館の調査・視察
      平成25年10月  足立区のホタル飼育施設の調査・視察
      平成25年11月  第2回検討会・担当者との打合せ
      平成25年12月  ホタル等生息調査実施検討
      平成26月1月    日本ホタルの会関係者からのヒアリング・ホタル等生息調査実施
      平成26年4月    第3回検討会     その他、適宜、情報交換等を行った

上記によれば、検討会は少なくとも3回開催されている筈です。ところが、板橋区に情報公開請求してみると、その議事録は「公文書不存在」と通知されました。
(この公文書不存在通知書は、松崎いたる区議が名誉毀損で訴えられた裁判に原告側が提出したもので、松崎いたる区議が原告に無断で公開しています。プライバシー保護のため、宛先を私が黒塗りに加工しました。)

議事録が存在しない公的会議は、実施していないのと同じだと私は思います。そこで誰が何を話し合い、何を決めたかが全く分からないのですから、公的な会議としては存在しないも同然でしょう。それどころか、本当に開催されたのかどうかたいへん疑問に思います。このような重要な審議プロセスが全く明らかにされない中で、ホタル生態環境館の行く末を決めたのは重大問題だと思います。

以上

2016年10月10日月曜日

記録:板橋区が実施したホタル生息数調査に対する見解資料

2014年1月27日に板橋区が実施したホタルの生息数調査が酷いものであったことは、本ブログでも何回も指摘してきました。

この生息数調査に対して、2014年3月の時点で、聖学院大学政治経済学部の平修久教授が見解を出してくださっていました。古い資料ではありますが、貴重な記録として、以下に掲載させていただきます。Web掲載の都合上、いただいた文章はそのままにして、体裁のみを若干修正しています。

ちなみに、 聖学院大学では、蛍のせせらぎ「ホタルのビオトープ ~ひかりのせせらぎ~」を2004年に構築され、以来、ホタルが自生する唯一の大学として毎年ほたる祭りを開催されています。



見解資料は以下の通りです。


板橋区ホタル生態環境館におけるホタル等生息調査について

聖学院大学政治経済学部
教授 平 修久

板橋区のホタルに関する特許を基にして整備した学内のせせらぎで、学生とともに10年間、ゲンジボタルの生息環境を保全し、地域の方々を対象にした鑑賞会を実施してきた経験から、板橋区ホタル生態環境館におけるホタル等生息調査に関する個人としての見解を述べたい。

1.ホタルは、現代において、生物学的に貴重であるとともに、地域コミュニティの再生・強化にとっても重要な存在である。ホタルに係る者にとって、幼虫1匹1匹が大切な存在である。

2.板橋区のホームページによると、せせらぎ(屋内)の調査結果は、2匹のゲンジボタルと85匹のカワニナを発見し、推定個体数は、ゲンジボタルが23匹、カワニナが963匹としている。調査会社のこの報告が正しいのであれば、板橋区は区民に対して深く謝罪する義務がある。例年、ホタル鑑賞会では約1万匹のホタルの乱舞を楽しむことができたが、今後はそのような光景を見ることができなくなったことを意味するからである。言い換えると、ホタルという区民の財産が壊滅的になったということである。

3.何の謝罪もなく、原因の究明や対策の実施について区民への説明がないということは、板橋区として、調査結果をそのまま受け取ってはいないと判断される。

4.今回の調査結果は正しいのではなく、不適切な調査方法に基づく不正確な調査結果なのである。

5.生き物の生息調査については、適切な時期と適切な方法がある。調査会社が参照した国土交通省の「河川水辺の国勢調査 基本調査マニュアル【河川版】(底生動物調査編)」には、底生動物の季節ごとに生態についてまでは記載されていない。したがって、ホタルの生息を調査する際には、適切な時期とそれに適合した方法を別途確認することが求められる。今回の調査ではそれについての言及はなされていない。

6.ホタルの一生に関する知識を持ち、ホタルを育てた経験のある人であれば、1月末の段階で幼虫はまだかなり小さく、せせらぎの底でじっとしている時期であり、せせらぎには入らないことは常識である。せせらぎに足を踏み入れての調査は、板橋区民の財産ともいうべきホタルの幼虫に対する配慮がなされなかったと言わざるを得ない。

7.底生生物はルーペを必要とするような数ミリ、あるいはそれ以下のものもある。しかしながら、今回、ホタルの幼虫のサイズを1cm以上のものに限定したという。国土交通省のマニュアルでは、微小の生物に対して0.5mmのふるいを用いることとしている。実際に、1月末の段階では、ホタルの幼虫は数mmと小さい。1cm以上もあるような幼虫は、前年に上陸しそこなったものと思われる。

8.微小な底生生物は採取用ネットの網にひっかかる可能性が大きい。容器に移す際には、ネットに生物が残っていないかを慎重に見極める必要がある。しかしながら、そのような丁寧な採取はなされていない。

9.せせらぎに生息するホタル等の底生生物は微小であり、小石などに挟まれると死ぬ可能性がある。しかしながら、そのようなことを考慮せずに調査が実施されたようである。ホタルの幼虫の生命を気遣う配慮なしの調査は、調査の名に値するとは言えない。

10.以上のように、調査の時期及び方法は不適切である。調査を実施した企業が適切であったかも疑問である。さらには、調査を現場で監督していた区職員が適切な指示を出さなかったことも大いに疑問である。



以上